「先人に学ぶ」山本 卓眞@IPSJ72 2010/3/9

東大で開催されている、情報処理学会の全国大会に行って、「先人に学ぶ」山本 卓眞 の講演を聞いてきた。(https://www.gakkai-web.net/gakkai/ipsj/72program/html/event/event/9.html)
山本氏は、富士通でリレー計算機を、池田敏雄と共に開発した人 (山本卓眞 - Wikipedia)

講演で、気になったトピック

  • 技術と営業の経験法則
      • 技術のユニバック
      • 営業のアイビーエム
      • 技術の日立東芝
      • 販売の松下
    • 全部、営業が強い会社が勝っている。
    • 強い営業が、鼻の高い技術者をやりこめるぐらいあれば、会社が発展する。
  • コンピュータ部門で、ソフトウェアの人材が不足していた
    • 新たにソフトウェア技術者を採用することができない。
    • 社長に社内社内動員をお願いした。
    • 社内の他部署からは、恨まれた。
    • 結果的に、これが社内の構造改革となった。

2010/3/5の講演で中島聡@UIEJも言っていたが、日本のメーカーが、ソフトウェアの会社
にチェンジすることができるかどうか、というのは興味がある。
現状を見ていると、ほぼ無理としか思えないんですけど、もしかすると、もしかするかもと
期待している。そういう観点から、各社の動向を探りましょ。

  • その他のトピック
    • 日本軍のコックビットは油と埃まみれ、アメリカ軍のコックピットはキレイ。
    • 池田敏雄は、演算回路の設計に注力していた。コントロール系は周りがサポートしていた。
    • 岡田完二郎 - Wikipedia
    • Q 世界に通用するソフトがあまりない。日本人がソフト開発に向いているのか
      • A
      • 世界に通用するという発想がない。
      • お客さんがうるさいから、そっちばかりを見ていた
      • ソフトウェアアーキテクトとプログラマを分けて考えるべき。
      • 経営者がしっかりした意思を持つべき
      • ソフトウェア出身の経営者が出ていない
    • Q 海外の工場はうまくいかないのか
      • A
      • 情報関係は変化がはげしい。自動車とは異なる
      • 執念深さが足りない 技術の問題よりも、経営者の問題

池田敏雄の本を、最初に読んでから随分経ったので、読み返してみよう。なにか発見がありそう。

富士通川崎工場で4月に開催される「富士通桜まつり」に行って、FACOM 138A を見に行きたいです。(via リレー式計算機 FACOM 128B/138A 竹下世界塔の計算機よもやま話/ウェブリブログ)

定年したエンジニアの方々は、ぜひとも昔話をブログに書いて欲しい。自分も定年後に備えて、ネタ貼作らなくっちゃ。